「創部60周年を迎えて」 第61代主将 原 杏侑美

創部60周年を迎えて

第61代主将 原 杏侑美

皆さんご承知の通り、名古屋大学ライフル射撃部は今年で創部60周年を迎えた。節目の年ではあるが過度に気負いすぎることなく、射撃部の歴史を今まで通り継いでゆくという意識で活動するつもりである。しかし、現状に目を向けると無視できない問題を抱えており、何かしら変化を起こさざるを得ない状況になっているのも事実だ。具体的な問題点としては、設備の不具合と部員数の少なさが挙げられる。
 設備に関しては、ブレーカーの故障、倉庫の雨漏り、交換機の故障などが相次いで起こり、練習環境の根本的な見直しが必要となった。こうした老朽化に伴う不具合は、おそらく以前から一時しのぎ的に対応されてきたものの、ついに今年限界が来てしまったのだろう。対応としては、すでに一部設備の改修を大学に申請した。許可が下りるかは分からないが、良い返事を待ちたいと思う。また、申請に漕ぎ着けるまでには、中川先生のご協力、及び各種手続きをこなしてくれた部員の努力があったことを忘れずに述べておかねばならない。
 そして、もう一つの課題である部員数の減少も以前から危惧されてきたことではあるが、最近では諸事情で部活に参加できない人も増えたため活動人数はさらに少なくなっている。これまで我々は新歓活動における努力のみを部員数減少の解決策としてきたが、そろそろ普段の練習体制にも目を向けなければならないと思う。つまり、少ない部員数でいかにして充実した活動を維持していくか、ということである。人数が多かった時代の慣習をそのまま引き継ぐだけではなく、現状に合った体制やルールを新たに構築することも必要ではないだろうか。来年はより多くの新入生を入部させたい、という目標への努力は継続しつつ、今現在の名大射撃部のあり方を見直すこともクリアすべき重要な課題である。
 さて、創部から60代まですべての部員に関わる一大イベントが開かれたという意味でも、今年は記念すべき年である。OBの方々のご尽力によって今年10月に60周年記念同窓会が開かれ、OB現役合わせて100名近くの名大射撃部部員が一堂に会することとなった。この同窓会は我々現役部員にとって様々な世代の方と顔をあわせる貴重な機会であり、実際にOBの方々から直接お話を伺ったことで現在の射撃部のあり方を見直すきっかけを得ることが出来た。具体的には、現役射撃部の活動の閉鎖性と、OBの方とのつながりに対する意識の希薄さについてである。この同窓会以前は、OBとの交流は決して盛んであったとは言えず、我々現役生が関係を保とうとする努力を怠っていたことは認めざるを得ない。しかし、引退後も射撃部とのつながりを持ち続けようとしてくださる方がこんなにも多くいるということを、この同窓会を通して知ることが出来た。60年に渡って紡がれてきた歴史を再確認した今こそ、つながりを保つ第一歩としてまずは情報発信に力を入れていきたいと思う。現在、名大射撃部のツイッターが本格的に稼働し始め、宣伝だけでなく活動報告としての意味も込めて情報を発信していくつもりなので、暖かく見守っていただければ幸いである。

・寄付についてのお礼 同窓会に於てOBの方々からたくさんの寄付を頂きました。そのご厚意に深く感謝し、この場を借りてお礼申し上げます。寄付はビームライフル一式の購入に使わせていただきました。以前使用していたビームライフルは機器の不調により度々練習に支障を来していたのですが、買い換えには多額の資金が必要だったため手が出せずにいました。しかし、今回OBの方々のお力添えにより安定した練習環境を得ることができ、部員一同とても喜ばしく思っております。今後新しいビームライフルを最大限に活用し、エアライフルを持つ前段階としてより質の高い新人の育成に励んでいく所存であります。





inserted by FC2 system